拠点概要

ご挨拶


弘前大学長 佐藤 敬

弘前大学長 佐藤 敬

 言うまでもなく、大学の役割は教育・研究と、それらの成果を通じた社会貢献にあります。人材育成が重要な社会貢献であることは間違いありませんが、研究成果を直接社会に還元できるとすれば、それは大学人にとって大きな喜びです。
 疾患との戦いにおいては、発症前に対策を講ずることが理想であり、予防医学が多くの疾患を克服してきたのは事実です。しかしながら、特に認知症や血管疾患のように、生活習慣をはじめ多くの要因が長期間にわたって関与すると思われる疾患について明確な予防策を確立し実行することは容易ではないと予想されます。弘前大学はこれまでも脳科学研究に力を入れてきましたが、このCOI拠点の整備によって、多方面の方々の協力の下にコホート研究との融合を果たし、しっかりとした研究成果をもって予防医学におけるイノベーションへとつなげていくことに挑戦します。


青森県知事 三村 申吾

青森県知事 三村 申吾

 青森県では、「青森ライフイノベーション戦略」に基づき、医療・健康・福祉(ライフ)産業分野を次世代の本県経済を牽引する重要な産業の柱として育成するとともに、県民の健康で豊かな生活の実現を目指しており、本県の健康寿命の延伸や疾患予防によるQOL(生活の質)の向上と産業活性化に貢献する先端的なプロジェクトに取り組んでいるところです。
 県、弘前大学、ライフ関連企業の産学官連携による取組が文部科学省の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」に採択され、本格的に動き出しています。この取組は弘前大学の優れた脳疾患研究と岩木健康増進プロジェクト等によって得られた膨大な健康情報を解析し、新たな予防医療の可能性を切り開こうとするものです。その社会的な意義は大きく、産業活性化への貢献など、その進展に大いに期待しています。
 本プロジェクトの成功に向けて関係各位がますますご活躍されますこと、そして、この青森発の研究開発により革新的なイノベーションが創出され、高齢化が急速に進行する日本のみならず、世界の人々のQOLの向上につながりますことを心から願っています。


プロジェクトリーダー マルマンコンピュータサービス株式会社
常務取締役 工藤 寿彦

マルマンコンピュータサービス株式会社 常務取締役 工藤 寿彦

 私達が目指すビジョンは「人生90年型ヘルスシティ創造」であり、リスクコンサーン型予防医療の社会実装です。
 我が国は少子高齢化の先進国であり、また、近年の疾病構造の変化に伴い健康増進社会の環境整備が重要課題となっています。2025年には団塊世代が75歳以上の社会になることもあり、健康づくりや疾病予防を積極的に推進する必要があります。
 本COI拠点では、将来の社会ニーズを想定し、社会変容の促進により新しい超高齢化社会を実現するために「疾患予兆発見」の仕組み構築と、その「予防法」の社会実装モデルを開発してまいります。本事業では弘前大学が9年間行ってきた全国的に類をみない「岩木健康増進プロジェクト」の経年コホート研究と、「脳神経血管病態研究施設」の研究成果を活用し、まずは青森県が抱える全国一の短命県返上を目標として健康寿命延伸の仕組みを早期に実現し、その後、青森県発の社会実装モデルを全国へ、そして世界へ展開してまいります。
 また、事業推進のなかで派生モデル創出についても注視していきたいと考えています。
 ベンチャー創出については積極的に情報開示、交流を行いながら本拠点の魅力を発信し、新たなベンチャー誕生に努めて参ります。

 私達はQOL向上と幸せを実感できる社会(GNH)を創造します。


リサーチリーダー 弘前大学大学院医学研究科長 中路 重之

弘前大学大学院医学研究科長 中路 重之

 平成25年、文部科学省からCOI(center of innovation)STREAMの採択を受けました。この国家的プロジェクトで全国12の拠点に選ばれたことは、青森県、弘前大学、そして参加企業にとって、この上ない名誉です。
 COI STREAMとは10年後の“理想とする社会”を想定し、それを実現するために、バックキャスティングした研究活動を行い、新しい成果を産み出し、それを社会実装させることで大きなイノベーションを起こそうというものです。
 本COI STREAMでは、岩木健康増進プロジェクトのビッグデータを解析することで、認知症・脳卒中の早期発見を可能にし、予防方法を解明し、さらにはその予防方法の検証を行っていくという作業を9年間(平成25年度~平成33年度)で行います。
 弘前大学は、平成17年度より岩木健康増進プロジェクトを立ち上げ、9年間これを実施してきました(当初は10年計画のプロジェクト)。本プロジェクトは、青森県の平均寿命が47都道府県で最も短いという現状から、10年後に平均寿命最下位脱出という理想を掲げ、その研究社会活動の発信基地として始まったものです。今回のCOI STREAM採択で、誠に時宜を得たご支援をいただきました。
 生活習慣病には、がん、心筋梗塞などがありますが、そのなかでも、我々は認知症・脳卒中を最大のターゲットとしました。現在、日本人は、男女平均で80歳を超える長寿国となりました。これは、これまでの“いかに長生きするか”から“いかによりよく長生きするか”にパラダイムシフトが起きたことを意味します。そのための大きなキーワードに「認知症をきたさない、遅らせる、重症化させない」があります。
 しかし、青森県の「短命県返上」という大目的のためには認知症・脳卒中以外にも、がんや心筋梗塞、そしてその前段階である、動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂質異常症などにも目を向ける必要があります。最終的にはこれらの病態・疾病を包含したターゲットを置くことで、10年後の青森県の平均寿命の飛躍的延伸が見えてきます。なぜならば平均寿命はすべての関連因子の最終的なエンドポントであるからです。
 我々が目指す成果は、産・官・学の共同なくしては達成できません。幸いにも青森県は平均寿命延伸という目的の下に、産官学独自の動きに加えて大きな連携の流れがあります。このような環境整備こそが、本COI STREAMの成果の社会実装の基盤になっていくはずです。
 本COI STREAMで予定通りの業績をあげ、青森県の平均寿命延伸という最終的なイノベーションにつなげていきたいと意気込んでいます。


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