令和4年2月4日(金)、弘前大学は、青森県、弘前市とともに、科学技術振興機構(JST)共催のもと、シンポジウム「弘前大学COIヘルシーエイジング・イノベーションサミット2022」を開催しました。今回は、新型コロナウィルス感染症対策のためオンライン配信による開催としましたが、北海道から沖縄まで全国から約1300名にご参加をいただきました。たくさんのご参加、誠にありがとうございました。
弘前大学COI拠点ではこれまで9年間「健やかに老いる社会」の実現に向けて、国民の健康寿命延伸とQOL‐GNH向上に取り組んできました。当シンポジウムでは超多項目健康ビッグデータを基盤に疾患発症AI予測モデルや新QOL健診モデルの開発・実装など、これまでの成果を総括しました。さらにSTI for SDGsの理念のもと、地方から世界の健康づくり(SDGs)への貢献を目指して、新たな健康未来イノベーション戦略の全体像を披露するとともに、新時代のヘルスケア産業の有り様について第一線の産学官民関係者が結集して、熱い議論が展開されました。
開会にあたり、学長 福田眞作先生、青森県副知事 柏木司氏、弘前市長 櫻田宏氏、(国研)科学技術振興機構(JST)理事長 濵口道成氏からご挨拶をいただき、来賓として文部科学省 産業連携・地域振興課長 井上睦子氏、内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局長 松尾泰樹氏、COI STREAMビジョン1ビジョナリーリーダー 松田譲氏からお言葉をいただきました。
【開会挨拶】
福田学長 青森県 柏木副知事 弘前市 櫻田市長
【共催挨拶】
JST 濱口理事長
【来賓挨拶】
文部科学省 井上課長 内閣府 松尾事務局長 COI STREAM 松田VL
基調講演では、弘前大学の中路特任教授が「弘前COI:新たなステージへ」と題して講演し、弘前大学COIの9年間の研究成果やポストCOIに向けたビジョンや構想について講演しました。
中路特任教授
特別講演1では、味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者 西井孝明氏から「食と健康の課題解決へ向けた味の素(株)の取り組みと弘前大学COIへの期待」と題して、同社のCOIにおける研究や今後の展開への期待についてお話がありました。
味の素(株) 西井社長
特別講演2では、著名な料理研究家の浜内千波先生から「世界に誇れる食生活の見直しを」と題して、現在のコロナウィルス感染症の状況下における健康価値の変化について、伝統的な和食の見直しを通じてどのように健康を目指し対応していくかについて興味深いお話をいただきました。
浜内先生
特別企画1「ビッグデータ解析チーム最前線」では京都大学大学院医学研究科 奥野教授、東京大学医科学研究所 井元教授、名古屋大学大学院医学系研究科 中杤准教授、東京大学大学院情報学環 上村特任講師、東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐客員准教授がそれぞれ主要疾患発症予測AIモデルや社会保障費の解析状況などの最新の研究成果および研究の集大成について詳しく発表されました。
京都大学 奥野教授 東京大学 井元教授
名古屋大学 中杤准教授 東京大学 上村特任講師 東京大学 五十嵐客員准教授
特別企画2「データ連携最前線」では、九州大学大学院医学研究院 二宮教授、京都府立医科大学大学院医学研究科 的場教授、名桜大学 砂川学長、和歌山県立医科大学保健看護学部 宮井教授がそれぞれの大学で取得されたデータと岩木プロジェクト健診の超多項目健康ビッグデータとの連携により得られた最新の成果をご紹介されました。
九州大学 二宮教授 京都府立医科大学 的場教授
名桜大学 砂川学長 和歌山県立医科大学 宮井教授
特別企画3「地域連携最前線」では、弘前市健康こども部 三浦部長から弘前市における次世代医療基盤法に基づく医療データの活用に向けた状況について詳細にご発表いただきました。
弘前市 三浦部長
特別企画4「認知症・意思決定支援最前線」では、京都府立医科大学大学院医学研究科
成本教授、日本意思決定支援推進機構 奥村理事から近年大きな注目を集める高齢者の意思決定支援について、サポートシステムづくりの成果などについて詳しいご説明がありました。
京都府立医科大学 成本教授 京都府立医科大学サテライト 奥村PL
特別企画5「社会実装戦略最前線」ではCOI社会実装統括である安川氏を筆頭に、参画機関・企業合計29者の代表がそれぞれの社会実装の状況についてのプレゼンテーションを発表しました。
特別講演3ではCOI STREAM ガバニング委員会委員長 / (株)三菱総合研究所理事長 / プラチナ構想ネットワーク会長 / 東京大学第二十八代総長 小宮山宏先生から「大学と学生が先導する社会変革」と題して、大学が社会改革の主翼を担っていくとして、「弘前大学COIは大学ルネサンスの序章だ」と暖かい叱咤激励をいただきました。
COI STREAM 小宮山委員長
最後のセッションであるパネルディスカッションでは、(株)宮田総研代表取締役 / (株)ヘルスケアイノベーション代表取締役 宮田氏をモデレーターに、COI統括ビジョナリーリーダー代理 / 名古屋大学医学部付属病院 水野教授をアドバイザーにお迎えして、工藤機構長や青森県・弘前市などから五名のパネリスト、計七名の登壇者により「弘前COI:新たなるステージへ(新健康未来戦略)」をテーマとして、熱心な討論が展開されました。
宮田総研 宮田先生 名古屋大学 水野教授
中路特任教授 工藤PL 安川IL
弘前市 三浦部長 青森県 渡辺課長
閉会に際し、副学長 若林先生、医学研究科長 廣田先生からご挨拶をいただき、当シンポジウムは充実した議論を重ね、成功裡に終了しました。
若林副学長 廣田医学研究科長
弘前大学COIは今後も学内外の先生方、参画機関はじめご関係皆さまのご指導・ご協力を賜りながら、ポストCOIへ向けてのさらなる推進、ソーシャル・ヘルスイノベーションの推進、SDGsへの貢献を目指し躍進して参ります。引き続きのご指導の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。